Monday, December 31, 2012

Happy New Year

This is one fragment of a song by William Blake:
Fresh from the dewy hill, the merry year
Smiles on my head, and mounts his flaming car;
Round my young brows the laurel wreathes a shade.
May 2013 be the best year of  your life!

れはウィリアム・ブレイクの歌の断片です。
露のおりた丘から生まれたての楽しい年が
我が頭上に微笑みかけて、その炎の車に乗る。
我が若き眉に、月桂樹は影を成す。
2013年があなたにとって最高の年になりますように。

blind bard, the editor


Sunday, December 30, 2012

小間板

小間板は蕎麦をまっすぐに切る為に用いられる道具で、漢字では駒板とも書く。小間は「 (四畳半以下の) 小さい部屋」のことだが、転じて、「小さい四角」になったのだろう。小間板は「小さな四角い板」である。

関連

切羽詰まる

切羽は刀の柄と鞘が当たるところにある薄い金属製の輪っかのこと。比喩的に「差し迫っていること」を切羽という。切羽詰まるは刀が抜けなくなって「追いつめられた状態になる」ことをいう。

 「追いつめられる」ことは英語で壁 (角) に追いつめられる --- to be driven to the wall / corner --- という。また、チェス用語で切羽詰まった状態抜き差しならぬ状態zugzwang という。

チェス用語
zugzwang

刀に関する慣用句
鎬を削る

Friday, December 28, 2012

Jazz Saxophonist Called Bird

Music entertains us. It soothes our rage & grief, & it gives us pleasure. Music promises us an easy life. Charlie Parker (1920-55) was a charismatic sax player in the world of jazz, called "the Bird," who devoted his life to music very seriously. To be serious means to love truely. This quotation shows how much he loved music:
Music is your own experience, your thoughts, your wisdom. If you don't live it, it won't come out of your horn.
音楽は私たちを楽しませる。怒りや哀しみを和らげ、喜びを齎してくれる。音楽があれば、つらい人生も楽しくなる。チャーリー・パーカーは「鳥 (バード) 」と呼ばれたジャズ界のカリスマ的サックス奏者で、真剣に人生を音楽に捧げた人であった。真剣であるということは本当に愛しているということである。この名言はチャーリー・パーカーがいかに音楽を愛していたを示している。
音楽はあなた自身の体験であり、思想であり、知恵である。音楽に生きるんでないんなら、音楽はラッパから出ては来ないんだ。









portmanteau word

かばん語はルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に由来している。ハンプティ・ダンプティ (Humpty Dumpty) がアリスに詩『ジャバワックぽく (Jobberwocky)』の講釈をしているときに、かばんを引き合いに出して説明する。
“Well, ‘slithy’ means ‘lithe and  slimy’... You see it's like a portmanteau—there are two meanings packed up into one word. “
「よいか、するぬめとはするするぬめぬめの意味だ。かばんに似ておるじゃろう。ひとつの言葉に二つの意味が詰め込まれておるのじゃよ」
 この詩はルイス・キャロルのナンセンスな言葉遣いで記されているため、ジャバワック、または、ジャバワッキー ( Jabberwock / Jabberwocky ) は、「たわごと ()、でたらめ ()」または、「たわごとを言う、でたらめに書く」といった意味の一般名詞・形容詞・動詞として使われている。ジャバワックは、日本語では、ジャバウォックなどとも表記される。

portmanteau word
“word forged with blended sounds & meanings of two real words,”
 [1871 Lewis Carroll’s Through the Looking-Glass.]

Jebberwock
(original sense) imaginary monster depicted in a poem in Lewis Carroll’s Through the Looking-Glass.

Jebberwock / Jabberwocky
(extended senses) meaningless talk or text; nonsensical; to speak something nonsensical.
[The poem Jabberwocky is written in nonsensical language.]

lithe
Speak in French (Quotation from Through the Looking-Glass)

Wednesday, December 26, 2012

corpus delicti

corpus delicti

word-for-word translation
body, crime-committed.

general translation
evidence of a crime; body of a murdered person.

逐語的邦訳
体、罪を犯された。
(犯罪の証拠、証拠としての遺体)

 このラテン語の決まり文句は英語ではそのままの綴りで用いることもある。 delicti は動詞 delinquere 「誤る、間違いをおかす、犯罪をおかす」の完了受動分詞単数属格形。従って corpus delicti は「罪を犯された () 体」の意味で、殺人事件の被害者の「遺体、他殺体」のこと。他殺体は犯罪が行われたことの明確な証拠になる。また、 corpus には「体」のほかに「物」または「資料」の意味もあることから、単に「物理的証拠」の意味にもなる。日本語でブツ (物) といえば、ミステリー小説や刑事ドラマでは「証拠」の意味である。また、「他殺体、被害者」は、現代日本では、仏さん、害者などということもある。

ラテン語のことわざ・慣用句集



Sunday, December 23, 2012

John 3:3

John 3:3 (KJV)
“Except a man be born again, he cannot see the kingdom of God.” 

ヨハネによる福音書第三章第三節 (拙訳)
「生まれ変わる者を除けば、誰も神の王国を見ることはできません」

Saturday, December 22, 2012

勘当

勘当の原義は、「罪を法に照らし合わせること、判決 (judgement)」であった。やがて、「懲らしめること (punishment)」の意味が親子や師弟の間柄で用いられるようになり、最終的に「縁切り (disownment)」の意味になった。江戸時代には奉行所に届け出ることによって公式に親子の縁切りが成立していた。当時、吉原の遊郭に行く駕篭は勘当箱と呼ばれていた。遊郭に通うどら息子が勘当されることが多かった為である。


駕篭に言及した投稿
相棒

コップ

コップはオランダ語 kop から。英語の cup と同じく、後期ラテン語の cuppa からできた言葉である。意味は「飲み物を入れる器。」 日本に伝わったのはおそらくガラス製のものなのだろう。ゲルマン諸語やロマンス諸語に同系語は多数見つかる。

 コップの直接の源である kop は丸い物を指すようで、「カップ、碗、頭、頭頂、頭脳、票、顔、玉葱、豆 (ナッツ)」などの意味である。この中で「票」は不可解に思われるかもしれないが、日本では人の数を口で数える (人口) が、西洋では頭で数えていたため、その連想で生まれた意味である。

オランダ語に言及した投稿
お転婆
ランドセル (オランダ個からできた言葉)
リュックサック (オランダ個からできた言葉)

飲食に関する言葉

Wednesday, December 19, 2012

manage

manage

--- Word DNA ---------------------------------------
ETYMOLOGY
[16th c., from Italian maneggiare “to handle, to train a horse,” & noun maneggio "handling, use, management," made up of Latin manus “hand”; ultimately from PIE Root *man- “hand.” The ending -ege was altered to the suffix -age in the 16th century. Manage was influenced in sense by French manège “horsemanship” & ménager “to use carefully or husband,” from ménage “household.”]

PIE ROOT
*man- “hand”
Latin manus
(French main / Italian mano / Spanish mano / Portuguese mão / Romanian mână / Catalan .)
Old English -mund. -mond “guardian, protection.” Used in personal names: Edmund, Raymond.
(Old Norse mund / German Vormund “guardian, tutor”)
Esperanto manon

FORMATION
Root: man- “hand”
Affix: -age → suffix that denotes the action, function, working, or belonging.
For example:
langue (French) “tongue” + -age = language
Cf Italian linguaggio.

DECIPHERMENT IN JAPANESE
man- + -age = manage
+ 行い / 行う = 手の行い (手で行う)
man- は器用さ・巧みさ、力・支配力・統率力・影響力、創造性・生産性などを示すことがある。
 manipulation 「巧みな操作、改ざん、触診」
 manoeuvre 「操作、策略」
 maneggióne (Italian) (蔑視) 「策士、黒幕、操り人形使い」
 command  「命令 (する)」
 manufacture 「製造 (する)」
基本義
「扱う、操る、使いこなす、コツをつかむ、うまく (大切に / 無駄なく / 成長・発展するように / 思い通りになるように / 計って) 使う / 進める、成し遂げようとする、遂行する、間に合わせる」
16世紀、英語に入ったときの代表的な目的語は「馬」であったので、具体的語義は「訓練する、調教する、調馬する、手なずける、扱いになれる、乗りこなす、(うまく) 手綱を取る」などであった。英語で最初期の自動詞は「(訓練する人を乗せた馬が)(乗馬学校で) 走る、訓練を受ける」などの意味であった。
・名詞 management の台頭で名詞 manage は消失。

DERIVATIVES
manage + able = manageable 「扱いやすい」
manageable + -ity = manageability 「扱いやすさ」
manageable + -ly = manageably 「扱いやすく」
un- + manageable = unmanageable 「扱いにくい」
manage + -ment = management 「扱い方、操り方」
 (「店、会社」に対しては「営み、切り盛り、経営」が具体的語義)
mis- + management = mismanagement 
 (「経営失敗」が具体的語義)
manage + -er = manager 「扱う人」
manager + -ial = managerial 「扱う人の (やり方の)

ENGLISH COGNATES FROM PIE ROOT *MAN-
Root: man-
Stem: mani- or manu-

based on Latin manus “hand”
manus zoological term “terminal part of the forelimb of a vertebrate, equivalent for human hand & wrist.” [19th c.]
manacle [Latin manicula, diminutive of manus.]
manège “riding school, horsemanship” [Adopted from manage, influenced by French manege (manège, now)]
manner [Old French maniere, from Latin manuarius “belonging to the hand”]
mannerism [manner + -ism.]
manual [Old French, from Latin manualis “of the hand.” The neuter form manuale was used in Classical Latin for “book cover” & in Late Latin for “book.”]
manipulation [French, from Latin manipulus “handful.” The verb form of manipulate was made by back-formation.]

man- + datum
mandate [Latin mandatum, past participle of mandare (literally) “hand-give” = “to put in hand, confide, entrust, dictate, commit, order, or command.”]
Maundy [Old French mande, from Latin mandatum novum “new commandment” from John 13:34.]
command [Old French, from Latin commandare “to command completely.”]
commando [Portuguese, from commandare.]
commend [From commandare.]
recommend [Modern Latin recommendare (re- “strongly”)]
demand [Latin demandare (de- “formally”]
remand [Late Latin remandare  (re- “again, back”)]

man- + suetus
mansuetude [Old French, from Latin mansuetus (literally) “hand-accustomed” = “tame, gentle, meek.”]
mastiff [From mansuetus,]

(French) main + tenir
maintain [Old French, from Latin manu tenere (literally) “hand-hold” = “to hold by the hand.”]

mani- + cura
manicure [French, from Latin manus cura (literally) “hand care.”]

mani- + -festus
manifest [French, from Latin manifestus (literally) ”hand-struck” = “manifest, evident, obvious.” Probably influenced by Italian.]
manifesto  [Italian manifesto, based on manifestus.]

mani- + coctus
manicotti [Italian, plural form of manicotto, made from Latin manus coctus (literally) “hand-cooked.”]

manu- + factum
manufacture [French, made up of Latin manufactum (literally) “hand-made”; verb manu facere “to make by hand.” Italian manifattura “factory, manufacture.”]

manu- + mittere
manumit [Latin manumittere (literally) “hand-send” = “to send out by the hand, to set free.”]

manu- + scriptus
manuscript [Latin manuscriptus (literally) “hand-written.”]

manus + operari
manoeuvre / maneuver [French, from Latin manus operari (literally) “hand-operate.”]
manure [the earliest verb sense in Middle English “to cultivate,” from Anglo-Norman French mainoverer, from the same origin of manoeuvre.]

外来語群 (PIE *man- の子孫)
マネージ
マネージャー
マネージメント
マナー
マンネリ
マンネリズム / マネリズム
マニエリスム [French maniérisme.]
マニュアル
コマンド
コマンドー
デマンド
マスティフ
メンテナンス
マニキュア / マニュキュア
マニフェスト
マ二コッティ
マニュファクチャー
-マンド / -モンド (固有名詞エドマンドレイモンドなど)

------------------------------------ 言葉の遺伝子 ---

 印欧祖語の語紺 *man- は「手」のことで、接辞 -age は動作や機能を指す。ゲルマン語派に入った語形は「~手」の接尾辞ゼロ階梯形から派生したもので、 -mund / -mond の語形を成し、意味は「守り ()、防衛」である。英語では、例えば、固有名詞 Edmund  は、 ed- が「富、宝」[ead- 「さち、福] であるから、「たからもり 宝守 / ふくもり 福守」さんということになる。

 イタリア語 mano は印欧祖語 *man- の直系の子孫のひとつで (ロマンス諸語はすべて直系)m-n- の音で数千年間ずっと「手」の意味であったが、英語の日常語の hand *man- と音韻上噛み合ず、語根の再建には至っていないようである。ほかにも「手」を表す単語を印欧諸語の中で調べてみると、現代ギリシャ語は χέρι  [古典ギリシャ語 χείρ (kheir)] で、ヒンディー語は hatha であるから、やはり、 mano とは血筋が異なる。どうして、ゲルマン人やギリシャ人やインド人は *man 「手」を忘れたのだろう? m n は、どんな民族にとっても難しい発音ではない。また、は、どんな生活様式を営むかに関わらず、必ず使わなければならない言葉である。手を使わない生活は考えられない。どうしてゲルマン人やギリシャ人やインド人が *man 「手」を使わなくなったのかは謎である。

 しかし、語根 man- 「手」 manage manual manner などの形で英語に帰って来た。manage が英語になったのは十六世紀。名詞は仏語の manège の影響もあるが、イタリア語から借入されたという。語尾の -ege は -age と早々と同化したが、十七世紀にフランス語の影響で manège は区別されるようになったmanage manège は共に「乗馬学校、馬術」の意味であったが、 前者からはその意味が失われていき、 後者は専らその意味で使われるようになっていった。-age は一般的な接辞で、ややこしいが、 menage にもあり、 manage menage の影響で語義が多様になっていった。語義が多様になったということは、統語上様々な目的語をとるようになったということでもあり、それらに対応するような自動詞の使い方も生まれたということである。

 名詞 management を使う人が増えて来ると、  manage は名詞としての機能をすっかり終えて、動詞としてのみ働くようになっていった。 manage の基本義は「扱う、操る、思い通りにする」である。

 他動詞 manage は十六世紀に英語化したが、当時の代表的な目的語は「馬」であったから、「調教する、訓練する、仕込む、手なずける、扱う、手綱をとる、走らせる」などの意味であった。目的語として「武器、装置、機械」を取ると、「扱う、動かす、使いこなす」などの意味になる。動詞句 to manage arms は、字義的には「武器を使いこなす」で、「戦う、争う」の意味であった。十九世紀の詩人テニスンは『ガレスとリネット (Gareth & Lynette) --- Lancelot on  him  urged / How best to manage horse, lance, sword and shield --- 「ラーンスロットは彼に、馬と槍と剣と盾の扱い方を極めよと促した」と書いている。

  目的語「舟、ボート」は、動かすのに力とコツを要するという点で「馬」に似ている。

 目的語に「事業、作業、戦争、作戦」などか来ると、成功するかどうかわからないことを苦心して「やる、営む、手がける、実施する、敢行する、遂行する、やり遂げる」などの意味になった。十七世紀には「職務 (職責) を全うする」の意味もあった。「会社」に対しては、日本語の訳語として「営む、経営する、経営陣に属する」などが当てはまる。

 目的語が「家庭、組織、国家」になると、「営む、運営する、管理する」などの意味になる。目的語が「お金 (one’s money)、家計、財産、地所、財源、基金」などになると、「切り盛りする、やりくりする、節約する、管理する、上手に使う」などの意味になる。これらの具体的語義は menage の影響を色濃く反映している。

 目的語が「健康、命 (one’s health or life)」になると「大切にする」になる。

 目的語が「他者、他人」になると、「大切にする、無下に扱わない、配慮してもてなす、甘やかす」などの意味になる。また、「従わせる、使う、指導する」などといった意味があり、 can’t manage のフレーズは「手を焼く、扱いに困る」といった意味になることがある (例文: We can’t manage our teenaged son...「私たちは十代の息子に手を焼いている」 )

 十八世紀にポウプは訳詩『オディッセイ』で、「土地」を目的語に「耕す」の意味で manage を使っている。

 なんとか「やりとげる」は、うまくいくように「目論む、企てる、計画的に行う」といった意味になった。テニスンは『祖母 (Grandmother)』に --- Her father... / Hadn’t a head to manage, and drank himself into his grave. --- 「彼女の父親には計画性がなく、酔っぱらったままお墓に入っていった」と書き遺している。

 「目論む、企てる、計画する」は「やり遂げようとする」ことで、manage to do の文型を作り出した。ディケンズは『困難な時代 (Hard Times)』に --- she could manage to coax it out of him, if she chose ---「その気なら、彼女は彼からそれをうまく引き出すこともできた」と書いている。また、スティーヴンソンの『宝島 (Treasure Island)』には
 --- My obvious duty was to draw as close as I could manage --- 「私の明らかなる責務は、可能な限りうまく引き寄せることであった」の用例がある。


 自動詞には上記テニスンの使い方のほか、「やりくりする、管理 (経営) する、マネー
ジュー (マネジメント) をする、間に合わせる、都合がつく、都合をつける」などの具体的語義がある。 (例文: Can you manage on Thursday? 「木曜日のご都合はよろしいでか」)

Manus manum lavat (Latin Proverb)
体の部位に関わりのある言葉
経営
マンネリ




Sunday, December 16, 2012

鎬を削る

鎬を削るは「激しく争う」こと。刀の鋭く研がれた刃と反対側の棟の間の膨らんだところを鎬と呼び、両者の刀の鎬が削れるほど「激しく戦う」ことを鎬を削ると喩える。「互いに相手より優れたものになろうとする」という意味では、互いに切磋琢磨するという言い回しに似ている。

 元寇以前の日本のいくさは音の出る鏑矢を放って一騎打ちを申し出るというものであった。しかし火薬で武装した元の船団がやってくると、内戦で用いていた一騎打ちのやり方が通用しなかったので、日本も集団戦の時代に入っていったが、おそらく、一対一で刀で切り合う戦闘方法は、南北朝時代や安土桃山時代にもあったのだろう。

 英語で「争う、競う」は to compete という。激しさを表すなら to be vying for が当てはまる。
They were vying for the first school teacher to go on a NASA space shuttle mission.
彼らはNASAのスペースシャトルのミッションに参加する最初の学校の教師になろうと鎬を削っていた。
但し、 vie は刀とは関係のない言葉である。

vie
[Latin invitare "to challenge."]

参考
dog-eat-dog

刀に関する慣用句
切羽詰まる





Saturday, December 15, 2012

Much Ado About Nothing

Much ado about nothing is a proverb which derives from the title of a comedy by Shakespeare. Anthony Trollope (1815-1882) , using the proverb, says a nice jocular truth in his novel The Bertrams (1859):
No man thinks there is much ado about nothing when the ado is about himself. 
何もないのに大騒ぎはシェイクスピアの喜劇の題目に由来することわざである。アンソニー・トロロープはこれを応用して冗談めかした粋な真理を自著『バートラム家』に書いている。
自分自身に関わりがある騒動なら、空騒ぎと考える人はいない。

Thursday, December 13, 2012

Forge Yourself One

Forge yourself one.
--- James Anthony. Froude, the Nemesis of Faith

When James Anthony. Froude (1818-1894) was a young man, he intended to be a clergyman to serve the Anglican Church, but he couldn’t have absolute faith in it. He wrote The Nemesis of Faith, a novel telling about a story of a skeptical priest whose model was himself. This novel was a statement of his resolution to leave the church & step into new life to become a historian. He says in the novel:

You cannot dream yourself into a character; you must hammer and forge yourself one. Go out into life, you will find your chance there, and only there.

ェイムズ・アンソニー・フルードは若い頃、英国国教会の聖職者になる心づもりでいたが、純然たる信仰心は持てないでいた。フルードは自分をモデルにした懐疑的な僧侶の物語を語る小説『信仰の復讐』を書いた。この小説は教会を去って、歴史家になるために新たな人生に踏み出す決意の表明であった。フルードは小説に書いている。

誰かになろうと夢見てはいけない。自分を叩いて一人の人間に仕上げなけならないのだ。人生に向かっていけば、それでこそ、機会が見出せうるのだ。


Wednesday, December 12, 2012

iPS細胞とiMac

iPS細胞 Induced Pluripotent Stem cells の和訳語入り頭字語で、純粋な日本語では誘導多能性幹細胞といい、造語したのは二〇〇六 (平成十八) 年にiPS細胞の作成に成功し、今年ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京大教授である。小文字の i ではじまるのは、グローバルにヒットしたアップルの iPod にあやかってのことだという。

 iPod はユーザーが自分の音楽ライブラリーを手軽に持ち運べるようにしたガジェットで、小文字の i は同社の iMac から継承して取ったものである。初代ボンダイブルーの iMac は一九九八年に発売されたが、アップル復活の狼煙となったこの商品の名称は、当初、当時のスティーブ・ジョブズ暫定社長 (interim CEO Steve Jobs) がしぶしぶ認めたものであった。というのも、ジョブズ暫定社長は、マックマン (MacMan) なる商品名を押していたからである。マックマンでは商品は売れないと社内で反発があって、最終的に iMac になったが、この i は、当時加速度的に普及し始めていた Internet の頭文字であり、想像 (imagination) i であり、個人 (individual) i であるという。もしもアップルがマックマンなる商品名でボンダイブルーのコンピュータを売り出していたら、iPS細胞の最初の文字は大文字になっていただろう。

 iPS細胞は受精卵のようにあらゆる組織の細胞を生み出す能力を有していて、難病の治療や、薬剤の特定臓器への影響を研究するのに役立つと期待されている。おそらく、移植によって治療可能な後天的な病気や脊髄損傷などの後遺症はiPS細胞の応用で将来治療可能になるだろう。
 
ACRONYM
Pakistan

商品名と一般名詞
シーチキン

スティーブ・ジョブズの言葉
Not Money But People

ノーベル賞受賞者
世界の名著 (ヘミングウェイとカミュ; ただし、言及は小説のタイトルのみ)
The Smaller, The Better (Milton Friedman)
Neoliberalist (Milton Friedman)


Tuesday, December 11, 2012

シーチキン

シーチキンは鮪や鰹の缶詰をいうが、もともとは登録商標であった。もちろんこれは、缶詰のツナの味がチキンの味に似ていることから名付けられた。ツナの缶詰は二十世紀初頭にアメリカで発明されたが、一般に sea chicken とは言わない。アメリカには Chicken of the Sea というブランドがある。日本で缶詰を開発したはごろもは商標が重ならないように命名したのだろう。今では一般名詞化している。

 缶詰は中に食べ物を詰めて密閉してから、加熱殺菌するので、保存料などは使われていない。また、密閉・放置されているうちに少しずつ熟成されていき、製造直後のものよりもある程度時間が経ったものの方がおいしいのだという。

 登録商標が一般名詞になった例としてはほかにウォークマンがある。

iPS細胞とiMac (商品名と一般名詞の関係)

Monday, December 10, 2012

叩き台

叩き台は赤く熱した鉄を叩いて成形するために用いる鍛冶屋の台。とんちんかん、とんちんかんとやるところ。転じて、叩いて鍛えて改良・完成させるための試しを叩き台と喩える。

 英語の慣用句に多くの鉄が火の中にある --- to have many irons in the fire --- があり、「多くの選択肢がある」こと、または、「同時に多くの活動に関わる」ことである。

 叩き台にする「= 試す」は to try (with)、名詞句叩き台は tentative (idea) などという。


鍛冶屋から出て来た言葉
相槌

Sunday, December 09, 2012

キセル

キセルはもちろん煙草をのむ道具から連想されてできた俗語で「無賃乗車」の意味。煙管、即ち、パイプの中には、吸い口と煙草を詰めて火を付ける先のところだけ金属 (金 = かね) でできていて、その間の管は木製のものがあった。つまり、乗る駅で安い切符を買って、降りる駅に近付いたら、そこから乗ったことにして切符を買う、即ち、全移動分ではなく、乗る駅から数駅分、降りる駅までの数駅分だけ金 (かね) を出すことであった。警官が思いついたのか、駅員が思いついたのか、はたまた、切符をまともに買わない無賃乗客が思いついたのかは定かではないが、煙草を吸う人が思いついた言葉だろう。



Saturday, December 08, 2012

二兎を追う者は一兎をも得ず

二兎を追う者は一兎をも得ず一石二鳥に対立することわざで、英語では --- If you chase two hares, you will catch neither --- などという。すぺてのことわざにいえることだが、いくつものヴァリエーションはある (: He who runs after two hares will not catch either one)。兎を引き合いに出さないことわざは一度に二つのことはできない --- No one can do two things at once --- といい、後述する中国のことわざに似ている。兎を追うのは捕って食べるためだが、捕る前に食べることを考える者への戒めとして、まずは兎を捕まえろ --- First catch your hare --- ということわざもあり、「経緯はともかく好ましい結果ばかり考えてはいけない」という点で、我が国の捕らぬ狸に似ている。

 タタール人は兎を一匹捕まえるだけでも大変だと言いたいらしく、努力しないと兎は捕まらないという。

 中国では一つの心を二つのことに用いることはできない --- 一心不可二用 (Yīxīn bùkě èryòng) --- という。

 日本の類似のことわざに虻蜂取らずがある。


一石二鳥
捕らぬ狸
二人のこどもは一枚の布ではくるめない (Two children cannot be held by a single cloth)


ファクションを綴ったページ

足のない幽霊
ビーフシチューと肉じゃが

faction
"fiction based on a real  or seemingly real history."
[1960s, portmanteau word in which fiction & fact are packed up.]

ファクション
実際の歴史、または、実際にあったと思える歴史に基づいたフィクション。

Friday, December 07, 2012

足のない幽霊

絵師である円山応挙の妻は病弱であった。ある晴れた月の明るい夏の夜、妻がはばかりから戻って来て廊下を歩いていた。応挙は夢うつつのうちに、障子越しに弱々しく動く影を見た。日本家屋における障子戸の多くは全面が紙を張る格子になっているわけではなく、足下の方は木製で光は通さず、応挙の家では臑のあたりまでが板であった。だから、弱々しく動く障子に写っている影は その上の姿だけであった。
 翌朝、布団から飛び起きた応挙は、すぐに筆をとって、足のない幽霊の絵を描いた。これ以降、日本の幽霊の足はなくなった。

Be Bloody, Bold, and Resolute

At Act 4 Scene 1 in Macbeth, from the cauldron of the three witches, the three apparitions appear one after another & each of them advises Macbeth what to do. It seems that the witches try to make Macbeth a brutal superman by witchcraft:
SECOND APPARITION
Be bloody, bold, and resolute; laugh to scorn
The power of man, for none of woman born
Shall harm Macbeth.

『マクベス』第四幕第一場では、三つの幻影が三人の魔女たちの釜から、次々に現れて、それぞれマクベスに何をすべきか告げる。魔女たちは魔法によって、マクベスを残忍な超人に仕立てたいようである。
第二の幻影
血なまぐさく、堂々と、断固進め。人間の力を見下して
あざ笑うがいい。女から生まれた者は
マクベスを傷つけられない。




Wednesday, December 05, 2012

おじや

おじやは、一説には、江戸時代初期に、スペイン語の olla podrida 「オーヤ・ポドリーダ」から借入された言葉だという。olla podrida は字義的には「腐った鍋」を意味しているが、食材の野菜類がどろどろに煮くずれるまで煮込むことから、その様子が腐敗しているように見えるので、このように命名されたのだろう。具材の中で豆やソーセージは煮くずれないで残る。ヨーロッパ人は米を野菜と考えるから、アジアにやって来たスペイン人たちは、彼らのシチューに米を加えるようになり、日本でもそういった料理を作るようになっていったのかもしれない。

 olla podrida は英語に借入されていて、初出は一五九九年。olla は土鍋の類をいい、 日本語同様に、鍋は「鍋」そのもののほか、「鍋料理」の意味にもなる。また、olla podrida は「寄せ集め、ごちゃごちゃした状態、すっちゃかめっちゃか状態」のたとえに用いられる点で、 hotchpotch / hodgepodge と同じである。

食べ物に関する言葉
potpourri


Tuesday, December 04, 2012

マッチョ

マッチョは、おそらく英語 macho から入った外来語であるが、その英語はスペイン語 macho 「雄 (の)」を語源にしている。英語の male は「雄」のほかに「男性」を意味することがある。スペイン語で「男、男性」は hombre という。また、書類等に varón / hembra とあるときは、日本語だと「男性・女性」の意味であり、英語の male / female に対応する。以上のようにスペイン語は、英語と違って、日本語と同様にヒトと動物を区別して、「男性」と「雄」は別語で表す。従って、ヒトの男を macho というときは、野性味のある雄という語感が生じる。スペイン語名詞 macho は俗語で「ワイルドな男、男らしく力強い男」の意味になる。英語 macho の初出は二十世紀前半であり、名詞のほか、形容詞として macho man (= tough guy) などと用いる。

 スペイン語 macho はラテン語 masculus 「雄の、(文法) 男性形の」から派生したものである。

言葉の使い方の比較

Monday, December 03, 2012

捕らぬ狸の皮算用

捕らぬ狸の皮算用は、将来の不確実な収入に期待するのを慎むように戒めることわざ。あてはあてであって、あてにならない、ということで、当て事と褌は向こうから外れるとほぼ同じである。

 西洋には熊を引き合いに出すことわざがある。たとえば、英語では皮を売る前に熊を捕まえよ --- Catch your bear before you sell its skin --- という。




Sunday, December 02, 2012

繋がっている眉毛

リチャード・バートンによると (『千夜一夜の書』第二十二夜参照)、眉毛が繋がっていることは、アラブでは、美男子であることを示すが、ドイツやデンマークやスラブ諸国では、狼男か吸血鬼を表す証拠である。ギリシャでは吸血鬼をブリュコラック(βρυκολακ) といい、やはり左右の眉毛が繋がっている。

 我が国では、狐が人を騙すときに眉毛を数えるという。

assassin (アラビア語由来の英語)
adobe (アラビア語由来の英語)
bismiller (アラビア語由来の英語)
Dracula (vampire lord)
naranja (アラビア語からできたスペイン語)
Puris omni pura (バートンに言及)
X (中世アラブの数学から生まれた、現在最も一般的な数学の変数記号)
芥川の一服の夢 (バートンに言及)
おいてけぼり (伝承・怪談と語源)
(酒呑童子も眉は繋がっている)
狐仙 (伝承・怪談)
如雨露とジャー  (アラビア語由来の言葉)
たぬき (伝承)
(体の部位に関する言葉の使い方)
摩頂松 (伝承・怪談)
眉唾

Saturday, December 01, 2012

師走

師走は「学校の先生」という説があるが、それはありえない。師走は日本に学校制度が確立される前からある言葉であり、たとえば、芭蕉の俳句にも師走の字は使われている。
雪と雪今宵師走の名月か
 平安末期の「色葉字類抄 (いろはじるいしょう)」は、お師匠様が忙しく東奔西走する月なので師走というと解説している。お師匠様とは僧侶のことで、年末には先祖の霊を祀る為にお経を上げる為、お坊さんは檀家まわりをしていた。しかし、この師走は当て字で、万葉集の十二月は慣用的に「しはす」と読むことから、語源は更に古いと考えるのが妥当。巻八の一六四八の紀少鹿女郎(きのをしかのいらつめ)の歌に十二月 (しはす) は出て来る。
十二月には沫雪 (あわゆき) 降ると知らねかも梅の花咲く含 (ふふ) めらずして
 「(陰暦の) 十二月 (しはす) にあわ雪がふるとも知らず、梅が咲いている。つぼみのままでいないで」

 ちなみに十二月は現代北京語では shí èr yuè と発音する。

 ほかに、年果つを源とする説、四季果つを源とする説、為 (し) 果つを源とする説などがあるが、どれもこじつけめいていて疑問。

 太陽暦の十二月は英語では December という。これはラテン語の decem 「十」と関係がある。「十月」が「十二月」になったのは、古代ローマのロムルス暦には、現在の暦の一月と二月がなかったためである。

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