Wednesday, October 03, 2012

格活用形と格の種類

格活用形の語形数と格の種類の数は一致しない。現代英語の格活用形の語形数は、一般名詞で二つ、所有格形とその他の形であるが、語順によって様々な格が存在する。

 たとえば、「春」を指す spring には、格活用形として spring と spring's しかないが、語順で他の格機能が発生する。

 Spring has come 「春が来た」というときの spring と、they met that spring 「彼らはその春出会った」の spring は同形だが、格は異なる。最初の文の spring は主格であり、二番目のは位格である。

 格活用形の数は言語によって異なる。英語と古英語では古英語の方が多いし、古英語と印欧祖語では印欧祖語の方が多い。ところで、格の数となるとどうだろう。

 印欧祖語の格の種類は、現代英語や日本語でも見出せる。語順でおぎないきれないとき、現代英語は前置詞を用いる。日本語は格助詞が名詞に付いて格機能を生み出す。

主格 (nominative): 主語を形成。「~は / ~が」
 ☆ Spring has come / Who said that?
属格 (genitive): 所有格を形成。「~の / ~が」
 ☆ 我が = my / our country
与格 (dative): 受け手、受け手となるモノなどを明示。「~に / ~へ」
 ☆ Tell me the story!
対格 (accusative): 動かす対象などを明示。「~を」
 ☆ They run the company.
奪格 (ablative): 起源・由来・出発地などを明示。「~からきた / ~より / による 」・
 ☆ Works by Shakespeare / Erasmus of Rotterdam
(instrumental): 道具や手段を明示 「~で / ~よって」
 ☆ They came by car. / Cut it with the scissors!
処格 (locative): 空間や時間を明示。「~に / ~で」
 ☆ at night / in the city
呼格 (vocative): 呼びかける対象を明示。「~よ」
 ☆ God save us!

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